GID-SRS|性同一性障害-性別適合手術|症例紹介

● SRS主流な術式

GID-SRS|性同一性障害-性別適合手術|術式

【陰茎・陰嚢皮弁で膣内壁を作製】

陰茎腹側に縦切開、白膜上で剥離して皮弁を広げるように起こす。陰嚢は幅4〜5cmで起始部を肛門側寄りにして皮弁を起こす。亀頭背側片に神経・血管束(Neuro-Vasculer-band)をつけて陰茎海綿体より起こしておく。

肛門より2〜2.5cm前方に鈍的に膣穴を作製、前方に膀胱、後方に直腸が位置し膣は奥行14〜17cmとする。残りの亀頭、陰茎・尿道海綿体は切除する。陰茎皮弁に陰核(クリトリス)用の穴と尿道用の穴を開けておく、 膣穴に陰茎皮弁・陰嚢皮弁を縫合して袋状にしたものを押し込む。亀頭背側片と尿道断端を上述陰茎皮弁に穴を開けた部位に縫合固定(陰核は性感を得られる)。

● SRS症例写真1

SRS手術前

陰茎の長さを計り、また陰嚢の状態をみます。
睾丸摘出を既に受けていると陰嚢が萎縮し皮弁の量が足りなくなってしまうので、タイの名医Sporn医師は治療を引き受けないと聞きます。
私のみてきた限りSRSを受ける予定のMTFの人の陰茎は何故か平均的な男性より大きめです。



● SRS症例写真2

GID-SRS|性同一性障害-性別適合手術|図説手術写真

陰茎をこのように引っ張っても、これが造膣した最奥部まで達するのは無理です。

それで埼玉医大川越医療センターに居られた原科孝雄教授、高松亜子助教授は、恥骨部〜下腹の皮下脂肪層で剥離を行い、陰茎皮膚が後方に引っ張れば伸びてくる術式を行っていました。
下腹にも手術となる訳ですから、そこからも血が出ますのでアルゴンレーザーも用いて止血をされていました。またチューブ状のドレーンを留置されていました。
大学病院や市中の基幹病院ならできる術式です。


● SRS症例写真3

GID-SRS|性同一性障害-性別適合手術|手術写真

私の手術では陰茎の解体の前に造膣から行いました。それは造膣からの出血を恐れ、万一ジワジワと出血が出てもガーゼをタンポンとして詰め込めばだいたい止まるはずで、その間に陰茎を分解できれば良いと思ったからです。

造膣の深さは後々の拘縮も考え深さ17cmまで行いました。
意外に出血はなく安堵しました。

写真は桜井式クスコで造膣した奥を確認しているところです。

手術中に気をつけていたのは直腸損傷を防ぐことで、万一損傷しますと造膣内と直腸が繋がって造膣入り口から大便が出てくることになります。

● SRS症例写真4

GID-SRS|性同一性障害-性別適合手術|手術写真

陰茎を解体しております。

陰茎海綿体と尿道海綿体に分離、また亀頭背側片に神経・血管束(Neuro-Vasculer-band)をつけて陰茎海綿体より起こしておくのは基本術式と同じです。

● SRS症例写真5

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陰茎を解体した後、陰茎皮弁を肛門寄りにグーッと引っ張ってみます。肛門に届くかなというレベルです。正直言ってこれでは 造膣入り口に少し入るまでがやっとです。